

描画装置技術部 システム技術グループ
理工学研究科卒 工学博士
S.S.
高い輝度と長い寿命を両立させる、カソードの設計
電子ビームマスク描画装置の内部にある、カソードを設計しています。設計のミッションは、高い輝度のビームと長い寿命です。カソードの輝度や寿命をシミュレーションし、それを設計に乗せた場合を想定して評価を行います。だいたい半年から2年程度の間で、次世代機に搭載する設計を完成させていきます。
現場で意識しているのは、次世代装置を見越して設計した機能でも、可能な限り前倒しで現行装置に盛り込んでいくことですね。この「現時点で最高の装置をお客様にお届けする」という気持ちは、設計に限らずほかの部署も一緒だと思います。技術的に難しいことも多いですが、半導体市場を支えているプライドを感じながら、日々できることを積み重ねています。
研究への情熱が捨てきれず、陸上自衛隊からの転職を決意
ニューフレアテクノロジーに入社したのは、2022年の8月です。前職は陸上自衛隊で、戦車と偵察を運用する幹部として働いていました。自衛隊に13年ほど在籍する中で、防衛大学校で装備基板工学(機械工学)を専攻し、博士号を取得しました。部隊では技術的な業務も担当していたため、ニューフレアテクノロジーにはエンジニアとして入社しました。
転職した理由は、研究への情熱が捨てられなかったからです。大学で博士号を取得した後は、自衛隊内部で防衛省が企業に依頼した研究を検査・評価する仕事を担当しましたが、直接研究開発に携わりたい気持ちがずっとありました。指揮官の年齢になれば部隊で果たす責任も増します。そうなれば自分の夢を追うことがさらに難しくなると考え、転職を決意しました。
就職活動で検討したのは、ニューフレアテクノロジーのみです。転職コンサルタントに「受けたいところから受けた方がいい」とご助言を受け、ニューフレアテクノロジーに応募しました。
素晴らしい技術者と働くことで、自身の目標が具体化する
今回の転職で、携わる分野が機械工学から電子工学に変わりました。これまで培ってきた研究開発に対する思考や経験は役立ちましたが、シミュレーションの道具や理論は異なるため、最初はかなり苦労しました。入社時の年齢はかなり上でしたが、気持ちをリセットして新人のつもりで仕事に取り組んできました。
入社して驚いたことのひとつは、優秀な技術者が多くいることです。知識の深さはもちろん、人間的にも尊敬できる先輩が多いと感じています。信頼できる先輩や同僚の方々と仕事ができる環境は貴重ですし、自分のロールモデルの設定にも役立っています。私も先輩技術者のように仕事に必要な知識や経験を積み重ね、コミュニケーション能力を高めることで、1人でもプロジェクトを推進できるような人間になることを目指しています。
※インタビュー記事内容は取材当時のものです
