朝倉 裕登 朝倉 裕登

描画装置技術部 メカトロニクス技術グループ

総合理工学研究科
朝倉 裕登

新旧2つの技術を学ぶことで感じた、半導体業界のおもしろさ

2015年の入社以来、メカトロニクスエンジニアとして、マスクを載せて動かす描画ステージの設計・開発を担当しています。
大学時代は4年間ずっと機械一筋で、熱エネルギーを研究していました。装置の設計は問題なかったんですが、そこで使う化学的な材料に関する知識は乏しかったんですね。専門分野しか知らないのは社会に出てからまずいのではと思い、大学院は材料系の学部でナノ構造体を研究しました。昔からある機械と未知の可能性を追求する材料、この新旧2つの技術を学ぶことで自分の興味の幅が大きく広がったと思います。
半導体との出会いは大学院のときでした。そこで自分のベースである機械の技術を活かして再先端に関われる半導体製造装置という分野を知り、ニューフレアテクノロジーに出会いました。

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ステージの位置情報が正確な描画を可能にする

ステージの開発にもいろいろありますが、私は主にステージの位置情報の把握を担当しています。正確な描画はステージを正確に動かさなければなりません。そのためにはステージがいまどこにあるのかという位置情報が重要になります。私が開発しているのはレーザーを当ててステージの位置を計測し、その位置情報をステージを制御する側に送る部分です。制御側からステージの位置情報に関する様々な要求がありますが、それに応えられる設計にするのが課題です。またステージが動く速度は一定ではなく、描画パターンのどこを描いているかで大きく変わります。複雑な動きで発生する振動や熱、さらに磁場等の影響をマスクに伝えない設計も、取り組んでいることのひとつです。

妥協点を探すのではなく、よりよいものをみんなで創る

私が目指しているのは、なにかひとつ本筋の技術をもち、そこから派生する部分も広く浅く知識を持っている技術者です。ここで開発している半導体製造装置には最先端の技術が詰め込まれていますが、縦割りはなく常にみんなでひとつのものを作っている実感があります。私はステージ担当ですが、他を担当する技術者から「ここもっとこうならない?」とフランクに相談を受けることがあるんですね。こうしたときに自分の分野以外のこともわかっていると、よりよい装置を作る議論を深めることができます。専門分野をもった技術者が連携し、妥協点ではなくよりよいものをみんなで追求できる環境は珍しいのではと感じています。
これから就職する学生さんには、自分の専門外にも興味をもつメリットを伝えたいですね。専門ではないことに挑戦するのを恐がる技術者は多いと思いますが、やっているうちに楽しくなることもたくさんあります。知識が広がることで、技術者としての発想力も変わってきます。ぜひ私たちとまだ見えていない半導体の未来を創っていきましょう。

朝倉 裕登

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