世界を変える次世代パワー半導体What the World Wants.NuFlare “EPIREVO™” SeriesWorld Wants.

積み重ねた技術の結晶が
半導体の未来を拓く、
エピタキシャル成長装置事業

従来のシリコン半導体が高速処理を求めて微細化を極める一方で、シリコンの物性値を上回る化合物を採用した半導体が注目されています。大電力用途に適したSiC(炭化ケイ素)、や電源の高速動作や小型化に寄与するGaN(窒化ガリウム)を使ったものは、次世代パワー半導体と呼ばれます。ニューフレアテクノロジーは、基板上に高い精度で化合物を成膜させる技術で、次世代パワー半導体の未来を牽引します。

篠﨑 嘉宏 篠﨑 嘉宏
NuFlare “EPIREVO™” SeriesPositioning in the Market.

Sales篠﨑 嘉宏 に聞く

市場の確実な成長が見込まれる
パワー半導体

社会や情報のインフラを担う半導体市場の伸びは、留まるところを知りません。2022年に80兆円を超えた市場規模は、2030年には150兆円になると予想されています。その背景にはデジタル化やカーボンニュートラルな社会を実現するデバイス需要の拡大があります。半導体の中でいま特に注目されているのは、先端微細化半導体と高効率化合物半導体の2つです。ニューフレアテクノロジーでは、電子ビームマスク描画装置が先端微細化半導体を、エピタキシャル成長装置が高効率化合物半導体を支えています。

現在ニューフレアテクノロジーで大きく伸びているのが、高効率化合物半導体を製造するエピタキシャル成長装置事業です。高効率化合物半導体とは、従来のシリコン単体ではなく、新素材のSiC(炭化ケイ素)やGaN(窒化ガリウム)などの化合物の結晶を使った半導体です。
電気自動車や5Gなどの高速通信需要の高まりに伴って、従来のSiよりも高耐圧/高周波数での動作が可能なSiC/GaNのパワー半導体が不可欠となっています。一般的にSiCは電気自動車や新幹線などの大電力、GaNは高速通信という用途に分かれていますが、GaNについてはスマホや電気自動車の高速充電の分野でも今後需要が拡大すると見込まれています。2030年にはパワーデバイス市場は2022年の倍以上となる7兆円を超えると予測されているため、弊社も市場拡大に備えて準備を進めています。

篠﨑 嘉宏

8インチ化にも対応する設計思想で、
シェアを拡大していく

高品質の成膜を短時間で実現するニューフレアテクノロジーのSiCエピタキシャル成長装置は、世界市場を牽引する数多くのグローバル企業からオーダーをいただいています。ヨーロッパに比べ日本は電気自動車の推進に出遅れた感がありましたが、政府もクリーンエネルギーに本腰を入れ始めたことが、国内市場においても事業の好調を後押ししています。

パワー半導体市場でも、チップ製造の効率化を実現するために基板の大口径化が進んでいます。8インチ(200mm)化への流れが確実な中、開発当初から大口径化に対応できる設計になっていたニューフレアテクノロジーの装置は、基板のサイズアップに対応するスピードで群を抜いています。これまでとほぼ変わらないコストと時間で成膜が可能な強みを武器に、2024年以降はさらにシェアを獲得し、市場でのポジションを確固たるものにすることを目指しています。

世界のトップと共に、市場を創っていく体験ができる場

エピタキシャル成長分野におけるニューフレアテクノロジーの優位性は、新たな市場を創ろうとするエネルギーから生まれているといってもいいかもしれません。カーボンニュートラルを実現した、クリーンで豊かな社会においてパワー半導体が果たす役割は無限大です。電気自動車を例に挙げれば、先端微細化半導体は頭脳でパワー半導体は筋肉と言われます。その筋肉を支えるパワー半導体を安定して世界に供給する使命を担うために、技術者が中心となって数多くの試行錯誤を積み重ね、装置という結晶に創りあげました。

東芝グループのひとつであるニューフレアテクノロジーには、東芝が長きに渡って蓄積してきた技術を活用できる強みがあります。技術先行の社風が示すように、社内には多彩な分野の第一人者が何人もいます。技術と人を活かして未来を創ることに興味を感じる人は、東芝の力を存分に活かせると思います。
新たな市場を生み出そうとする場所には、世界のトップ企業が集まります。これからニューフレアテクノロジーに入社する方は、世界を相手に市場の黎明期からパワー半導体に携わるエキサイティングな経験を積むことができるでしょう。

水島一郎 水島一郎
NuFlare “EPIREVO™” SeriesAdvantage and Possibility.

Engineer水島一郎 に聞く

カーボンニュートラル社会を実現する鍵、SiC

カーボンニュートラル社会に向かう世界的な流れは、ニューフレアテクノロジーのエピタキシャル成長装置分野を大きく後押ししています。エピタキシャル成長は、ガスを使って半導体の材料となる基板の表面にSi(シリコン)、SiC(炭化ケイ素)、GaN(窒化ガリウム)などの結晶膜を形成する技術ですが、その中で近年注目を集めているのがSiCです。

電気自動車や新幹線、電車を動かす「パワー半導体」のもととなるSiCの利点は、なんといっても電力変換の高効率化。バッテリーを積んだ電気自動車は航続距離を伸ばし、鉄道は大きな省エネ効果を得られます。従来のSiよりも高価というデメリットは、圧倒的な電力変換効率によるエネルギーコストの削減が凌駕しています。ニューフレアテクノロジーでも2020年頃からSiCに対応した装置の需要が伸び始め、現在では多くのお客様に導入いただいています。

基板の大口径化にも対応する装置の設計思想

ニューフレアテクノロジーのエピタキシャル成長装置には、他社にない特徴があります。そのひとつは、基板に向かってガスを垂直に流す構造(高速回転CVD方式)です。ガスを平行に流す方式に比べて欠陥密度が少なく、均一で良好な成膜を可能にしています。装置の内部には基板を高速で回転させる技術、基板の温度を高温で制御する技術など、独自の技術が数多く活かされています。

もうひとつは1回のプロセスで1枚の基板に成膜する方式(枚葉装置)です。1度に複数枚に対応できるバッチ装置に比べると、枚葉装置は成膜コストが高くなることが課題でした。しかし近年、1枚の基板から取れるチップ数を増やすために、SiCの基板サイズが6インチ(150mm)から8インチ (200mm)へと大口径化しつつあります。当初から8インチへ基板に対応できる構成として開発されたニューフレアテクノロジーの装置は、6インチ基板とほとんど変わらないコストで成膜が可能な点が大きなアドバンテージとなっています。

SiCデバイス市場規模グラフ SiCデバイス市場規模グラフ

微細な結晶を成長させる技術が、私達の未来を進化させていく

エピタキシャル成長は、次世代の半導体を支える大きな可能性を持っています。エピタキシャル成長には、デバイスを作る工程の前にウェハ上に均一に結晶を成長させる方法と、デバイスを作る工程の途中で結晶を成長させる「インプロセスエピ」があります。 インプロセスエピはSi半導体製造の前工程で素子性能を向上させるために広く活用されてきましたが、近年ナノレベルの微細化が進む先端半導体分野において、より複雑になるトランジスタの新たな三次元構造の実現にますます欠かせないものとなっています。

デバイスを作る工程の途中で結晶を成長させるインプロセスエピは、Siデバイスの高耐圧化も可能にしてきました。SiCにおいても、インプロセスエピの研究は進んでいます。現在、SiCデバイスのエピタキシャル成長は、デバイスを作る工程の前で用いられることがほとんどですが、Siデバイスが迎えた進化を追いかけるように、SiCでもインプロセスエピの活用は進んでいくことでしょう。もしパワー半導体として知られるSiCデバイスにインプロセスエピでさらなる高耐圧化が付加されるようになれば、世界の新たな産業を牽引し、まだ見ぬ未来を創っていくと確信しています。

Siからスタートした技術をSiCやGaNに応用することで、ニューフレアテクノロジーのエピタキシャル成長事業は発展してきました。装置に集積された技術の数々は、大きな可能性を持っています。技術者のひとりとして、分野の枠にとらわれずにこれまで蓄積してきた技術を活かす場を探ることで、新たなビジネスにつなげていきたいと考えています。