早川 裕樹 早川 裕樹

描画装置技術部 設計開発グループ

理工学研究科卒
早川 裕樹

描画装置の心臓、鏡筒部の機械設計

私が担当しているのは、描画装置の中にある鏡筒部の機械設計です。光学設計から上がってきた要望を実現するために、物理・光学計算に基づいた部品の機械図面を作成しています。
大学時代は機械工学を専攻していたのですが、入社当時は電子ビームを総合的に設計する部署に配属となり、5年ほど鏡筒の評価装置を開発・運用していました。ここでは描画装置の基礎として、機械構造や電子光学技術、真空技術をはじめ、描画装置の調整方法や評価方法についてひと通り学ぶことができました。評価装置を扱ううちに自分で鏡筒を設計したいという気持ちが強くなり、2017年3月に念願が叶って現在の部署に異動になりました。入社当時に上司に言われた「光学系を理解し、機械設計もできる人材になってほしい」という言葉を実現すべく、新しい仕事に挑んでいるところです。

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世界最高精度の加工技術が実現する部品

私が設計しているのは、鏡筒部の構成部品です。描画装置の心臓部である鏡筒に使う部品は、寸法精度や清浄度といった面で世界最高水準が求められます。装置の中では、構成や光学設計上、部品の理想の寸法は決まっており、1/100mmのずれも許されません。加工の難しい金属や、特殊な加工方法や工程で作られる部品を使うことも多いんです。
設計した部品を製作してもらう社外のメーカーには、加工や処理に細かな制約を設けたうえで、厳しい寸法精度を要求します。メーカーにとって、新しい挑戦となる製作も少なくありません。「これはいくらなんでも無茶ぶりなのでは」と思いながら相談することもあるのですが、実現してくれることが多く驚きます。
仕事ではこうした部品の設計にとどまらず、部品のもととなる素材の調査にも力を入れています。電子光学の要求を満たし、より装置の性能を向上させる新しい素材の開拓も課題のひとつです。

部品のかたちには理由がある

私が設計する部品は、メーカーにとってはすべて特注品になります。描画装置はねじ一本でも図面に落とし、メーカーで製作したものを使います。大量生産される車と違い、特注部品のかたまりが描画装置なんですね。
こうした機械設計の仕事の醍醐味は、目に見えるものづくりということです。それぞれの部品のかたちには、すべて理由があります。世界最高の精度でつくられた部品には、無駄がありません。洗練された部品のひとつひとつに、芸術を感じることもあるんですよ。

早川 裕樹

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